ICTを導入する上でのポイント

慢性的な人材不足となっている介護の現場では、ICT化に注目が集まっています。
しかし、突然トップダウンでICT化を行っても、利用者や介護のスタッフは戸惑ってしまうだけです。導入する際には、まず現場の潜在的なニーズや課題を把握することが大切です。
アンケート調査や、観察員による行動観察などを行うことで、介護現場が抱えている問題をはっきりと浮かび上がらせていきましょう。

それに併せて、介護とICTの両方の分野に詳しい人材の育成も必要になってきます。
介護現場でICT化がなかなか進まないことの理由のひとつには、慣れないものや、よくわからないITシステムの導入に抵抗を持つスタッフからの反発があります。両方の分野に長けている人材が橋渡しをすることで、現場のニーズに応じたICT化を進め、現場のスタッフへの指導もスムーズにできるようになるでしょう。

また、既にICTの導入に取り組んで成功している施設を見学したり、話を聞いたりすることも大切です。
実際に介護サービスを提供している現場でどのように活用されているのか、実際に目にすることで、より具体的なイメージが湧きやすくなります。
そして、いざICTを導入した際には、検証を必ず行うことが重要です。ニーズに合わないICT化を進めても、負担が増えるだけです。本当に使い勝手がよいのか、効率はアップしたのかなど、様々な側面から見直すようにしましょう。時には業務プロセスを見直したりしながら、さらなる効率化を図ることが大切です。